こんにちは、シュミットです。
10/6に地球との距離が最短になった(最接近した)火星は、これから徐々に遠ざかっていきますが、11月くらいまではまだ視直径が大きい状態で条件よく観察することが出来ます。
左から「IR 800 PRO」「IR 720 PRO」「UV/IRカット」「IR 800 PRO+UV/IRカット」です。
※ウェーブレット処理の設定は同一
撮影に使用したカメラはカラーカメラですが、800nm以降を透過する
IR800PROは3色のカラーフィルターの透過率がほぼ等しくなるため、モノクロカメラとして扱うことが出来ます。今回はそれをL(輝度情報)画像として、UV/IRカットフィルター(通常のカラー画像)で撮影したカラー情報を乗せてみました。いわゆる
LRGB合成です。
フィルターを駆使することで、カラーカメラ1台でLRGB合成が出来るのは面白いですよね。
私の惑星撮影の腕前はともかく、UV/IRカットフィルターで分かりにくかった陸地の細かな模様も良く見えていると思います。もっときちんとした惑星撮影用の設備を持った方が撮れば、カリッカリにシャープな惑星を撮影することが出来るのではないでしょうか!
今回使用しなかったIR 640 PROとIR 720 PROは、モノクロカメラの場合は同じようにシャープな惑星や月の撮影に役立ちます。カラーカメラの場合は電視観望に使うと効果的だと思います。ぜひお気に入りの組み合わせを見つけてみましょう!
7,250円 (税込 7,975円)
惑星をみていると、シーイングという言葉をよく耳にすると思いますが、簡単に言えば大気によるゆらぎの影響のことです。
シーイングが良いと像の揺れが小さく細かな模様でもよく分かります。シーイングが悪いと像の揺れが大きく、波立つ水面から水底を見るようだと評されるほど、模様も形もわかりにくくなります。
少し難しい話になりますが、像の揺れの大きさ(揺れやすさ)は波長が短い青っぽい光ほど大きくなります。逆に、波長の長い赤~赤外の光は揺れにくい(屈折しにくい)という特徴があります。
光の揺れにくい赤外線だけを拾って、シャープな輝度情報だけをゲットしようというのが、このIRフィルターの主な使い道になるのではないかと思います。
勘の良い方は思いついたかもしれませんが、個人的にはこのフィルターをオートガイダーに装着したらもっと精度が良くなるんじゃないかと期待しています。主なオートガイダーにはアメリカンサイズのフィルターを取り付けられますので、汎用性抜群だと思います・・・!
IR640PROはモノクロカメラにつけてHαの電視観望なんていかがでしょうか。カメラレンズにCマウントの変換アダプターを付けて、そこにフィルターとオートガイドカメラを付けるだけで、簡単電視観望セットの出来上がりです。
IR 720もモノクロカメラ向きですが、火星を写すとほんのり赤く写ります。
時間と天候の都合で撮影することは出来ませんでしたが、土星や木星などのガス惑星向きのフィルターかもしれません・・・!
最近発売されたSV305-SJのカバーガラスは赤外線までの透過率を持ったクリアガラスになっていますので、このフィルター3種類を試すのにはうってつけです。
18,000円 (税込 19,800円)
このフィルターとカメラで、かなり遊べますよ!